GW、にぎわう予感 和歌山県紀南地域

海開きを控え、砂浜の整地作業が終わった白良浜(和歌山県白浜町で)

 ゴールデンウイーク(GW)が直前に迫った。新型コロナウイルス流行に伴う制約の緩和が続き、連休後には感染症法上の位置付けが引き下げられる。こうしたことも影響しているのか、和歌山県白浜町の白浜温泉街や田辺市本宮町にある宿泊施設では多くの予約が入っている。期間中は観光客らでにぎわいそうだ。

 白浜温泉旅館協同組合(加盟23施設)によると、5月3~6日はどの施設も満室の状態で、それ以外の日は少し空きがある。「昨年よりは多い。外国人客も少しずつ戻ってきている」という。コロナ禍前は5月の1カ月間で7万~7万5千人ほどが宿泊しており、今年はその9割くらいに届きそうだとみている。

 白浜温泉街ではGW中、白良浜の海開き(3日)や「南紀白浜エアショー」(6日)などのイベントが予定されている。南紀白浜観光協会の藤田正夫会長(70)は「多くの観光客を迎え入れる態勢を整えている。コロナ禍前以上の来訪を期待している」と話す。

 熊野本宮観光協会(加盟宿泊施設36)によると、5月3~5日はどこも満室の状態。中には4月29日からずっと埋まっているという施設もある。白浜と同様に「昨年よりも予約は多く入っている」という。

 名渕敬会長(58)は「最近はマスクを外す観光客も目立ってきた。好天が続けば、日帰り客も増えるだろう。今後を考えれば(政府の観光支援策など)いろんな施策のない本来の旅行形態へ戻ってくるのではないか」と期待している。

 GW期間中は、交通機関も混雑しそうだ。JR西日本によると、大阪方面と紀南を結ぶ特急「くろしお」の指定席予約は昨年比で132%。コロナ禍前の2018年との比較でも88%にまで回復している(13日現在)。ピークは紀南行きが5月3日、大阪方面行きは5日という。

 日本航空によると、南紀白浜―羽田(東京)を結ぶ定期便は、満席かそれに近い状態の便が多い。1日3往復だが、4月29日は臨時の1往復を運航する。

■阪和道 渋滞予測も

 県内の阪和自動車道では渋滞が起きる可能性がある。西日本高速道路は、南行きで5月3日午後1時前後に、みなべ―印南で最大10キロと予測。北行きでは、3、4の両日午後7時前後と5日午後5時前後に、南紀田辺―印南で最大10キロとみている。

 和歌山地方気象台が4月27日に発表した週間予報によると、県内では29、30日は雨が降る見込み。5月1~3日は晴れそうだ。2週間の気温予報では、連休後半は平年より高くなる日が多くなるとしている。

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