進化を続ける大谷 MLB公式サイトが「高速化」と「低速化」に注目

球界トップクラスの速いボールを投げ、球界トップクラスの速い打球を打ち、球界トップクラスの俊足を誇る大谷翔平(エンゼルス)。今季は特に投手として素晴らしい活躍を見せており、ここまで5試合に先発して防御率0.64、被打率.092という驚異的な成績を残している。そんな投手・大谷について、メジャーリーグ公式サイトのマイク・ペトリエロ記者は2つのデータに着目。今季の投手・大谷は「高速化」しつつ「低速化」しているというのだ。

「高速化」というのは、ピッチクロックの導入に伴う投球間隔の短縮のことだ。大谷は無走者時の投球間隔が昨季の21.7秒から今季は15.3秒となり、6.4秒も短くなっているが、ペトリエロ記者によると、これは昨季・今季とも無走者時に100球以上を投げている投手のなかで3番目の数字だという(ホワイトソックスのマイケル・コペックがマイナス8.0秒、レッドソックスのタナー・ハウクがマイナス7.2秒)。昨季の投球間隔はメジャー全体でも上位の長さだっただけに、ピッチクロックにしっかり適応しながら月間MVP有力候補と言われるほどの投球成績を残しているのは見事の一言に尽きる。

一方、「低速化」というのは大谷の平均球速のことだ。今季の大谷はスイーパーと呼ばれる変化の大きいスライダーの投球割合が大幅に増え、フォーシームの投球割合が減少。その結果、85マイル以下のボールが全投球に占める割合は、昨季の25%から今季は46%と2倍近くにアップしている。また、スイーパー自体の平均球速も昨季の85.3マイルから今季は83.5マイルに低下している。85マイル以下が46%というのは、メジャー全体の先発投手で上位20%に入る数字だ(大谷より上位には大谷のように100マイルの速球を投げられる投手はほとんどいない)。大谷のような剛腕の投球割合の半分近くを85マイル以下のボールが占めているのは例外的な状況と言えるだろう。

今季ここまでは「高速化」しつつ「低速化」して成功を収めている大谷。明日、日本時間4月28日には今季6度目の先発登板(対アスレチックス)が予定されているが、その試合はメジャーリーグの公式配信サービスであるMLB.TVで無料中継される。

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