和田誠展 絵本や挿絵の原画人気 岡山 会期終盤もファンらが次々

 イラストレーターからエッセイスト、映画監督まで多彩に活躍した和田誠さん(1936~2019年)の生涯をたどる「和田誠展」は会期終盤。27日も会場の岡山県立美術館(岡山市北区天神町)には多くのファンらが訪れ、創作への情熱が伝わる作品の数々に見入っていた。

 和田さんは多摩美術大図案科出身で、ポスターや本の装丁を得意とした。物語の魅力を引き出す挿絵も有名で、会場には谷川俊太郎さんが翻訳した「マザー・グース」や、星新一さんのショートショート集などの、洒脱(しゃだつ)でユーモラスな挿絵の下絵や原画も並んでいる。

 入場者は、絵本好きの和田さんが初めて手がけた「ぬすまれた月」の原画、言葉遊びが楽しいロングセラー「ことばのこばこ」などの本の前で足を止め、懐かしそうに眺めていた。倉敷市の女性(38)は「子どもの絵のようでありながら、計算された上手さが伝わる。昔読んだころを思い出しました」と話していた。

 山陽新聞社など主催。5月7日まで。同1日を除く月曜日休館。

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