◆横浜DeNA7-6ヤクルト
何点差だろうが、響かせる快音は青く染まるスタンドを盛り上げる。代打宮崎の適時打で1点を返した六回1死一、二塁。3試合ぶりに先発出場の大田がヤクルトの左腕ピーターズの外から入るスライダーを振り抜いた。
「気持ちで打った。ファンの声援が背中を押してくれた」。前進する左翼手の前に落ち、二走林が自慢の快足を飛ばして生還。今季は本塁打こそ1本放っていたが、この一打が初の適時打となった。沸き上がるベンチに向け、渾身(こんしん)のガッツポーズと雄たけびで応えた。
試合前まで、スタメン出場した試合は12打数1安打とアピールに苦しんだ32歳。それでも「レギュラーじゃない。みっともない打席にはしたくない」と腹をくくるからこそ、勝負際でその背中は一段と頼もしく映る。
昨季に加入し、一打席にかける代打の難しさを痛感したという大田。「一つずつ積み重ねる」。四球でも何でも、役割を果たすための準備を欠かさない姿が今季もある。