日銀、金融政策の点検決定 大規模緩和策維持、植田氏初会合

金融政策決定会合に臨む日銀の植田総裁(中央)ら=28日午前、日銀本店(代表撮影)

 日銀は28日の金融政策決定会合で、金融政策運営の多角的なレビュー(点検)を1年から1年半かけて行うことを決定した。植田和男総裁による新体制発足に合わせ、金融緩和策の効果や副作用を確認し、今後の政策運営に生かす。現行の大規模金融緩和策は維持を決めた。金融政策の方針を前もって示す「先行き指針」からは「新型コロナウイルスの影響を注視」との文言を削除した。就任後初となる会合を終えた植田氏が午後に記者会見を開き、決定理由を説明する。

 会合後に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、初めて示した2025年度の消費者物価の上昇率見通しを前年度比1.6%とした。23年度は1.8%、24年度は2.0%で、ともに前回1月時点の見通しから引き上げた。

 短期金利をマイナス0.1%とし、長期金利を0%程度に誘導する現行の政策を続ける。市場の一部で長期金利の上限を撤廃したり、引き上げたりするとの観測もあったが「0.5%程度」で据え置いた。政策委員9人の全員一致で決めた。

日銀本店

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