総務省が28日発表した4月の東京都区部の生鮮食品を除く消費者物価指数(中旬速報値、2020年=100)は前年同月比3.5%上昇の104.8だった。3カ月ぶりに伸び率が拡大した。政府の電気・ガス料金の負担軽減策でエネルギー価格が下がったが、食料が押し上げたほか、家電など幅広い商品で価格転嫁の波が広がった。
生鮮食品を除く食料の上昇率は8.9%で、前月の8.1%からさらに拡大した。8.9%の伸び幅は1976年6月(8.9%)以来46年10カ月ぶりの高い水準だ。鶏卵が28.0%、食用油が22.7%、炭酸飲料が17.1%それぞれ値上がりした。
食料以外では、原材料価格高騰や新商品の投入が進んだルームエアコンが30.2%上昇。政府の全国旅行支援の効果が薄れた宿泊料も8.2%上がった。
エネルギーは資源価格下落の影響もあり、2.6%低下した。電気代は7.9%下がったものの、都市ガスは6.2%上昇した。
東京都区部の指数は全国の先行指標とされ、今後発表される全国の指数も同様の傾向になる可能性がある。