洗剤の適正管理怠ったか 7人死傷工場火災で責任者2人書類送検 会社側「原因特定できてない」

3年前、静岡県吉田町の家庭用品メーカー「レック」の工場で消防隊員と警察官あわせて4人が死亡した火災で、警察は4月28日、出火原因とみられる洗剤の管理を怠ったなどとして当時の工場の責任者2人を書類送検しました。

2020年7月5日未明、吉田町川尻のレック静岡第2工場で発生した火災。爆発的な燃焼で火は工場全体に燃え広がり、工場内を調べていた消防隊員3人と警察官1人が逃げ遅れて死亡、さらに消防隊員3人がやけどなどのけがをするという痛ましい火災でした。

火災からまもなく3年となる28日、警察は業務上過失致死傷と業務上失火の疑いで、当時の静岡製造部長(56)と静岡第2工場長(61)の2人を書類送検しました。

警察が原因を調べた結果、工場で製造していた洗剤から火が出て、洗剤に含まれる過炭酸ナトリウムが火災による熱などで化学反応を起こし、爆発的に燃え広がったと判断。書類送検された2人は、こうした事態を未然に防止するための適正な洗剤の管理を怠っていたなどとしました。警察は2人が容疑を認めているかどうかを明らかにしていません。

一方、レックは28日、警察の書類送検に疑問を呈しました。自ら設置した事故調査委員会の報告を引き合いに出し、「(事故調査委は)発火源の特定に至らず、原因が特定できていない状況での現場管理者の責任は問えない」と主張しました。

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