ウィシュマさんの妹、改正案批判 国会前、市民が抗議

衆院法務委を傍聴後、ウィシュマ・サンダマリさんの遺影を手に取材に応じる(左2人目から)妹のポールニマさんとワヨミさん=28日午後、東京・永田町

 入管難民法改正案を可決した28日の衆院法務委員会には、名古屋出入国在留管理局で収容中に死亡したスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=の2人の妹も傍聴に訪れた。改正案は、難民申請による送還停止の回数を制限し、迫害の恐れがある人を送還してしまうと問題視される。2人は人権無視だと批判し「姉のために声を上げ続ける」と反対活動を続ける決意を強調。国会前でも市民が抗議の声を上げた。

 委員会は改正案に反対する立憲民主党議員らの「採決するな」との声が響く中、約5分遅れで開会。与党議員の質疑時に野党議員が大きな声を上げ、注意を受ける場面もあった。反対討論で立民の米山隆一議員は「廃案にし、制度設計を根幹からやり直して」などと訴えたが、改正案は賛成多数で可決された。

 委員会後の取材にウィシュマさんの妹ワヨミさん(30)は「外国人も人間。二度と姉のように殺されることがあってはいけない」と述べた。遺影の持ち込みは認められなかったという。

国会前で入管難民法改正案に抗議する人たち=28日午後

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