英BBC放送、理事長が辞意 選定当時の首相に便宜疑惑

英BBC放送のリチャード・シャープ理事長(英PA通信=共同)

 【ロンドン共同】英BBC放送のリチャード・シャープ理事長は28日、テレビ放送で辞意を表明した。公共放送トップの理事長任命直前に、選定の決定権を握る当時のジョンソン英首相に便宜を図った疑惑が持たれていた。後任が決まる6月まで理事長にとどまる。

 任命過程を調査する監督官が28日に公表した報告書は、シャープ氏が選定過程で政府規範が求める中立性に反したと指摘した。氏はテレビでの声明で「不注意だった」と謝罪した。

 報告書や報道によると、シャープ氏は20年11月に理事長職に応募する前にジョンソン元首相に応募の意向を伝達。応募後、元首相に対し約1億3600万円に上る借金の保証人を手配した。

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