横須賀の空母、24年後半交代 地元は安全性に根強い懸念

2025年をめどに米海軍横須賀基地への配備方針が決まった原子力空母「ジョージ・ワシントン」=15年05月撮影

 在日米海軍横須賀基地(横須賀市)に配備されている原子力空母の交代が決まった。地元横須賀では抑止力としての空母の存在に期待する声がある一方、原子力災害への懸念の声が根強く残っている。

 「横須賀基地が他国から攻撃されるかもしれないという漠然とした不安はいつも感じている。原子力空母が攻撃を受ければ自宅は放射能汚染にさらされる」。基地近くで店を営む男性(45)はため息をつく。

 昨年以降、米英の空母が相次いで横須賀港に入港し、店にやってくる外国人の数が増えた。ロシアによるウクライナ侵攻や北朝鮮の核開発、台湾有事の懸念など、安全保障環境の変化を肌で感じている。

 「米中関係や北朝鮮のニュースはよくチェックしている。遠い国の出来事には思えない」と明かす。

 市内に住む会社員の男性(60)は小学生の頃に空母が横須賀に初入港し、多くの市民が参加して反対運動が展開されたことを覚えている。「空母の街になって50年。安全性に不安は感じるが、原子力空母は日本を守る抑止力として機能している」と評価する。

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