FRB、監督不備認める 米銀破綻、「脆弱性理解せず」

3月、米シリコンバレー銀行の支店の外に並ぶ顧客=米マサチューセッツ州(ロイター=共同)

 【ワシントン共同】米FRBは28日、3月に破綻した中堅のシリコンバレー銀行(SVB)に対する監督の検証結果を公表した。「SVBが規模を拡大する中で、監督側が脆弱性を十分に理解していなかった」と対応の不備を認めた。検証を主導したバー金融監督担当副議長は書簡で、規制と監督の強化に乗り出す方針を表明した。

 FRBによる急激な利上げで膨らんだ保有債券の含み損が破綻の一因とみられ、金融当局が経営危機の可能性を見抜けなかったことが問題視された。

 検証結果では、SVBの総資産額が2019年の710億ドルから21年の2110億ドルに急増していたが、監督強化が追い付いていなかったと明らかにした。金利上昇によるリスクは把握していたが、対応が遅かったと指摘した。

 トランプ前政権時代に規制が緩和されたことは「効果的な監督を阻害した」と批判。バー氏は書簡で、資産規模1千億ドル以上の銀行への規制強化や、急速に資産が膨らんだ銀行への対応の迅速化などが必要とした。

 検証では、SVB経営陣がリスク管理を怠ったとも批判した。

米ワシントンにあるFRB本部=2022年2月(共同)

© 一般社団法人共同通信社