「このドラマをきちんと作っていくという責任感が横山くんにはあると思います」――生瀬勝久が「帰ってきたぞよ!コタローは1人暮らし」主演・横山裕に感じたこととは

テレビ朝日系で放送中のドラマ「帰ってきたぞよ!コタローは1人暮らし」。2021年4月クールに放送された「コタローは1人暮らし」の続編となる今作は、子連れ入居禁止のアパートで自堕落な日々を送る売れない漫画家・狩野進(横山裕)と、その隣の部屋に住む訳ありの1人暮らしの少年・さとうコタロー(川原瑛都)が、アパートの住人をはじめとした個性的な面々と織り成すハートフルコメディーです。

続編では狩野は相変わらずな一方で、コタローは小学校に進学。コタローの成長ぶりに「いろいろなコタローくんが見れる!」「週末にほっこりできて幸せ」と毎週反響が集まっています。そんな中、先週放送された第2話では、「アパートの清水」に引っ越してきた大学院生・宇田桃葉(白洲迅)をめぐって、狩野とコタロー、そしてアパートの住人たちが事情を探るべく動き始めました。そんな狩野らに「覚悟を持ってここに来た」と言い放った宇田、彼の真意とは。

コタローの過去にも大きく関わる宇田とコタローの関係。気になる第3話の放送を前に、ここでは「アパートの清水」住人の1人・田丸勇を演じる生瀬勝久さんのインタビューをお届け。生瀬さん演じる田丸といえば、コタローを「コタローきゅーん♡」と溺愛している姿が印象的ですが、今作でもその溺愛っぷりは健在。現場で生瀬さんは今どんなことを感じているのか、直撃しました。

――2年ぶりの「コタローは1人暮らし」の現場の雰囲気はいかがですか?

「元々のレギュラーメンバーとは前回よりもなお深く、楽しくコミュニケーションを取れています。新しく入った白洲くん、今回からレギュラーになった松島聡くんも、出来上がっている現場に新しく参加することって緊張もするだろうし大変だと思いますけど、そろそろ慣れてきたのかなと。探り探りだとは思うんですけど、仲良くウェルカムで迎え入れようとしています」

――続編が決まった時はどのように感じましたか?

「どんなお仕事に対しても手を抜かずに、今自分ができる精いっぱいのものをやるのが私のお仕事ですが、また(続編を)やるということは、『またやってほしい!』っていう声が上がっていたからじゃないかなと思います。あとは、田丸役を別の方がやらずによかったなと(笑)」

――ここまでの撮影で印象的なエピソードはありますか?

「エピソードというものはまだないですが、前回よりも出番がちょっと多くなったのかなと。個人的に結構お話に絡んでいるのかなという気はしていて、いろいろなところに出ていると思います。自分の中ではキャラクターをパワーアップさせているつもりです。まあ、声を大きくしているだけなんですけど(笑)」

――ドラマのタイトルに「帰ってきたぞよ!」とありますが、「コタロー」の現場に帰ってきたと感じる瞬間を教えてください。

「ロケ現場がですね、遠いんですよ(笑)。しかも瑛都くんがまだ学生さんで、平日はなかなかお仕事ができないのもあって、土日の撮影が多くて。行楽日にあたるので帰りにすごく時間がかかるところは『帰ってきたな…!』と思いますね。『あー、前回もこうだったな』と。東京に帰るのに2時間〜3時間は当たり前のところで、『うわ〜、懐かしいな』と思うこともあります」

――コタローを演じる川原さんとは、「未来への10カウント」(同系)を含めると3年連続の共演になりますね。

「『未来への10カウント』の時はほとんど絡むシーンがなかったので見かける程度だったのですが、2年前の瑛都くんはもう歩いているだけでもかわいいというか。こけてしまうんじゃないかなというような歩き方だったのが、もうしっかりとしていて。やっぱり成長というのはすごいなと感じました」

――一方で、まだかわいらしいなと感じるところはありますか?

「まだまだ身長は思ったほど大きくなっていなくて。かわいいというよりは、どんどんこまっしゃくれてきているんです(笑)。『前のあどけなさはどこにいったんだよ!』というぐらいには成長していますね。生意気になってきました(笑)」

――今回、2年ぶりに田丸として川原さん演じるコタローに向かい合った時はどんなことを感じましたか?

「前回は、台本のセリフを覚えて、覚えたものを出すことに精いっぱいだったのが、今では台本を理解してそれを相手に対して伝えるという、気持ちが乗ってきているんですよ。すごくプラスですよね。(れっきとした)お芝居になってきているからすごいです。俳優として本当に成長しているし、僕のセリフに対してもちゃんと聞いてそれに答えようとしているから、こんなことを僕が言う立場ではないですが、やっぱり打って響いている。2年前はこちらが合わせていたのが、今はこっちが打ったら打ち返してくれるから、シーンとしてはとてもいいものができているはずです」

――田丸とコタローのシーンの見方も変わってきそうですね。

「僕が一方的にコタローくんに対して何かを求めるというより、押し付けていき、それに対してコタローくん拒絶というのも結局はコミュニケーションなので、前回は『こうしなきゃいけない』というお芝居だったのが、今は本当に嫌がっているから(笑)。そういうのはやっぱりすごくリアルにお芝居ができているんじゃないかな」

――前作では幼稚園に通っていたコタローが小学校に上がり、そういった部分が新しい作品の面白さにもなるのかなと思います。

「そうですね。そういう意味で言うと、前回と同じシチュエーションだとちょっと違和感があったんでしょうけど、小学校という設定にもなっているので、スムーズに見ることができるんじゃないのかなと思います」

――先日放送された第2話では、白洲さん演じる宇田をめぐって狩野や秋友美月(山本舞香)と奔走する姿も描かれていました。横山さん、山本さんとも久々の共演になりますね。

「本当に懐かしかったのと、またご一緒できるということで、前回に比べて近くなった感じがしています。いろいろなプライベートの話もするようになったので、現場としてはすごく楽しいです」

――現場での横山さんの姿はどう映っていますか?

「全体を見て、ちょっと停滞しているという時に『よし、行こう!』っていう声を出してくれて、そういう意味ではリーダーシップを取っていらっしゃるのだと思います。瑛都くんも前回よりも大人になっているので、やっぱり楽しくなってはしゃいじゃう時もあるんですけど、そういう時にちゃんと横山くんがたしなめたり、『やるぞ』としっかり釘を刺しているので、2人ともすごくいい感じだと思いますよ。先輩として、このドラマをきちんと作っていくという責任感が横山くんにはあると思います」

――最後に、今後の「帰ってきたぞよ!コタローは1人暮らし」の見どころを教えてください。

「見どころとしては、“見る人が決めてほしい”と思っています。これを読んでいる方の作品を見るきっかけになればいいなと思うので、読んだ方は一度作品を見てほしいです。ドラマって、作っている人間がどれだけ命懸けで作っているかで良さが決まると思うんです。今回も一生懸命みんなで作っているし、僕は命懸けでやっているので、自信を持ってこの作品を皆さんにお勧めします」

【プロフィール】

生瀬勝久(なませ かつひさ)
1960年10月13日生まれ。兵庫県出身。主な出演作にドラマ「ごくせん」シリーズ、「リバーサルオーケストラ」(ともに日本テレビ系)、「トリック」シリーズ、「漂着者」(ともにテレビ朝日系)など。映画「水は海に向かって流れる」が6月9日に公開を控える。毎週水曜日放送中の「それって!?実際どうなの課」(日本テレビ系)ではメインMCを務める。

【番組情報】

オシドラサタデー「帰ってきたぞよ!コタローは1人暮らし」
テレビ朝日系
土曜 午後11:00〜11:30
※放送終了後、TVerで最新話を1週間見逃し配信 ※TELASAでは、全話独占配信中

取材・文/平川秋胡(テレビ朝日担当)

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