羽山第2トンネル 補強工事が完了 高梁、手掘りの雰囲気は残し

 岡山県内の県道では唯一現存する素掘りトンネルとして知られた「羽山第2トンネル」(高梁市成羽町羽山)の補強工事が完了した。のみで岩を削った跡が生々しく残っていたが、天井や側面がモルタルで覆われた。

 県道宇治下原線にあるトンネル(長さ30メートル、幅、高さ各3.2メートル)は1920年ごろ完成。老朽化によって岩がはがれ落ちる危険性が高まっていたため、1月末から西側の羽山第1トンネルとともに補強工事を行った。事業費は両トンネルで約2千万円。

 元々の岩肌に近づけるよう、モルタルには黒の着色顔料を混ぜて吹き付けたという。県備中県民局高梁地域維持補修課は「安心して通行してもらうとともに、手掘りの雰囲気が残るよう努めた」としている。

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