LGBT法案 自民党内で手こまねく状況、遺憾

 LGBT理解増進法案について政府・与党はG7サミット前に成立させたい意向だが、自民党内のタカ派からは慎重な意見が出るなど、党内保守派は腰が重い。立憲民主党の泉健太代表はこうした姿勢に27日の党会合で「G7各国で法整備ができていないのは日本だけ」としたうえ「自民党内でまだ手をこまねいている状況なのは大変遺憾」と述べた。

 泉氏は「立憲としてはLGBT差別解消法成立をめざしているが、まずはLGBT理解増進法の与野党合意案がさらに後退するのは許されず、早期に自民党中で答えを出してもらいたい」と与野党合意案を後退させること無く、迅速に成案を得るよう対応を求めた。

 自民党内では萩生田光一政調会長が「広島サミットで時間を切るようなことは筋が違う」と早期成立をめざす動きを強くけん制した。自民党内最大会派安倍派にはLGBT法案に反対姿勢のタカ派議員が多いと言われる。

 泉氏は「与野党合意案がさらに後退するのは許されず」と、特に超党派議員連盟がまとめた法案にある「差別は許されない」との表現を自民党タカ派が「不当な差別は許されない」と差別を狭義にしようとする動きもけん制したとみられる。自民党内の動きが注視される。(編集担当:森高龍二)

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