春の褒章16人受章 黄綬褒章・ミツトヨ廣澤実さん

 さまざまな分野で功績があった人に贈られる春の褒章の受章者が発表され栃木県内からは16人が受章しました。

 今年春の褒章を受章するのは644人と20の団体です。このうち栃木県内関係では、農業や工業などの分野で他の模範となるような技術や事績をもつ人に贈られる黄綬褒章に5人がまた、社会福祉や公共の事務に力を尽くした人に贈られる藍綬褒章には11人が選ばれました。

 黄綬褒章を受章した宇都宮市の精密測定機器の総合メーカーミツトヨMC工場で働く廣澤実さん(58)です。

 廣澤さんは1984年の入社以来一貫して三次元測定機を使った製造部門や生産技術部門に携わりました。中でもアルミニウムの部品を量産化するための高精度な加工技術の確立に力を尽くしました。工業高校の旋盤実習でノギスという寸法を測る道具に惹かれ、その後、ノギスを製造するミツトヨに入社した廣澤さん。廣澤さんが情熱を注ぐ三次元測定機は縦、横、高さから三次元の座標を取得し、対象物の寸法や輪郭形状などを高精度に測定できる機器です。担当になったばかりの頃は機械を制御するためのプログラムの習得が難しく数値の入れ間違いなどで時には失敗することもあったといいます。そんな経験から”機械はウソをつかない。注意してプログラムを作れ”という先輩からの言葉を今も肝に銘じながら今度はそれを後輩たちに伝えようと廣澤さんは今、後進の育成にも力を入れていきたいと目を輝かせます。

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