新たな映えスポット 仁風閣 背面側の日本庭園(鳥取)

樹木の伐採によって新たな観賞地点から日本庭園との共演を楽しめるようになった仁風閣=28日、鳥取市東町2丁目

 国指定重要文化財「仁風閣」(鳥取市東町2丁目)。不要な樹木の伐採により、背面側の日本庭園に新たな観賞地点が誕生した。白亜の洋館と品格漂う庭園がつくり出す和洋折衷の世界をより楽しむことができ、その美しさに思わず息をのんだ。

 仁風閣は1907(明治40)年、旧鳥取藩主・池田家の別邸として、建築。皇太子時代の大正天皇が行啓の際に宿泊したことでも知られる。建物を挟んで二つの庭園があり、背面には1863(文久3)年に造営された「宝隆院庭園」がある。

 宝隆院庭園の修繕工事に伴い昨年、東側にあった不要な樹木が伐採され、視界が開けた。江戸の雰囲気を残す庭園と明治の洋風建築の絶妙な調和が見る者を圧倒する。

 晴れ渡って少し汗ばむような一日。心地よい春風を感じながら、ゆったりと庭園を散策した。この時季は木々の新緑が映え、一層美しさを増している。地元に暮らしていると当たり前に存在する仁風閣だが、改めてその景色の貴重さに気づかされた。

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