わたしが沖縄を発信するワケ、1990年代生まれの4人が語る 基地、沖縄戦、コロナ禍…それぞれの言葉紡ぐ

 コラムプロジェクト「あなたの沖縄」主宰の西由良さんを聞き手に、1990年代生まれの表現者が沖縄を語り合うトークイベント「わたしが沖縄を発信するワケ」が3月25日、那覇市牧志のOutputで開かれた。ラッパーのRude―α(ルードアルファ)、映画監督の仲村颯悟、モデルの前田エマがゲスト。異なるフィールドで活動する4人がそれぞれの経験を振り返り、沖縄への思いや考えを語った。
 ▼ホテルがたくさん建っていればいいの? 「沖縄振興」とは何か…点検した若者の思い
 「あなたの沖縄―コラムプロジェクト」は、ウェブサービス「note」で沖縄に関するコラムを投稿してきた。執筆者の対談企画も行う中、「気軽に安心してしゃべれる場を作りたい」と今回のイベントが実施された。
 仲村は大学進学で上京した際、「慰霊の日」を知らない人がいることが衝撃だったと振り返った。その当時に感じたことを映画で表現したいと「人魚に会える日。」を撮影したと語った。Rude―αは昨年「慰霊の日」の6月23日にリリースした「うむい」を会場で披露し、「県外で歌い、聴いた人から『考えるきっかけになった』と反応があった。基地や沖縄戦を伝える役割を少しでも担えているのかなと思った」と話した。
 前田はコロナ禍で韓国出身のBTSに夢中になったことを機に、韓国や移民・難民、沖縄をテーマにした勉強会を開いた。「大人になって何かを知ろうとした時、音楽や映画、文学が最後のとりでになると思う」と話した。
 4人は沖縄を表現し発信することや、祖母らから聞いた沖縄戦、平和について考えることなどにも語り合った。
(田中芳)
【注目記事】
▼Rude-αさん、新曲で刻む祖母の悲しみ「意味さえ分からなかった」沖縄戦
▼沖縄の声 映画で伝える 戦争体験継承へ 仲村颯悟さん
▼“おなら”でつないだ命 
▼「偏見の目」が一変 具志堅用高さんが語る「沖縄」
▼Awichさん 亡き夫の言葉が光だった「お前の詩はいい。書き続けて」

© 株式会社琉球新報社