牛の事故死、AIで防げ 愛媛の農場、画像分析

牛の様子を撮影するため、天井部分などにカメラやケーブルが設置された畜舎=17日、愛媛県西予市

 愛媛県西予市の畜産業ゆうぼくが、人工知能(AI)を活用し牛の事故死を防ぐ取り組みに乗り出した。転倒するなどして立ち上がれなくなった牛は数時間で死ぬことがあり、畜舎にカメラを設置。画像をAIで分析し、異常の早期発見につなげる狙いだ。飼料高騰が経営を圧迫する中、岡崎晋也社長(37)は「事故死による損失を減らしたい」と話す。

 岡崎さんは化学メーカーのシステムエンジニアを経て、10年前に家業に加わった。「若者が魅力を感じる畜産業を実現したい」との思いから、加工品販売やレストラン経営を手がけたり、新卒採用に向けたインターンシップに力を入れたりしてきた。

 今回着目したのは、出荷前の肥育牛が1~2%程度の割合で突然死んでしまう事故だった。岡崎さんによると、体調不良やけがで起き上がれなくなった牛が、おなかのガスを排出できなくなることが原因という。

 1頭当たり数十万円から100万円ほどに上る損失を防ごうと考え、昨年秋、畜舎にカメラやケーブルを設置。収集した画像データの分析は東京の企業に外注した。

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