横仙歌舞伎 堂々の演技で魅了 奈義で春公演、高校生ら所作巧み

 江戸時代から岡山県奈義町に伝わる県重要無形民俗文化財の地下(じげ)芝居「横仙(よこぜん)歌舞伎」の春の公演(町教委主催)が29日、同町豊沢の町文化センターであり、地元住民による堂々とした演技が町内外の約200人を魅了した。

 横仙歌舞伎保存会と中島東松神座が出演。源平合戦の後日談を脚色した「源平咲分(さきわけ)牡丹(ぼたん)重忠館(しげただやかた)の段」、主君の妻の身代わりに父親の顔を知らない実の娘を討たざるを得なかった弁慶の悲劇を描いた「御所桜堀川夜討(ようち)弁慶上使の段」をそれぞれ演じた。

 保存会は高校生を中心とする12人、松神座は9人が役を務め、巧みなせりふ回しや所作が決まるたびに拍手が送られ、おひねりが飛んだ。女性(70)=赤磐市=は「長いせりふを間違えず、素晴らしい演技。伝統芸能に打ち込む若者の姿にも感動した」と話した。

 公演は県重要有形民俗文化財の松神神社歌舞伎舞台(同町中島東)で予定していたが、雨天で会場を変更した。

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