パラ五輪選手と交流 川崎・上丸子小の児童

 子どもたちに障害者スポーツへの理解を深めてもらおうと、日米のパラリンピック陸上選手らが9日、川崎市立上丸子小学校(同市中原区)を訪れた。義足で力強く走り、スポーツの魅力を語る選手の姿に、子どもたちは目を輝かせながら交流を楽しんだ。

 訪問したのは、ロンドンパラリンピック日本代表の佐藤圭太選手(24)=トヨタ自動車=や2015世界パラ陸上8位のトレンタン・メリル選手(25)ら男子100メートル(T44)の選手4人と、ロンドンパラリンピック日本代表で女子走り幅跳び(T44)の中西麻耶選手(30)の計5人。「セイコーゴールデングランプリ陸上2016川崎」(8日・等々力陸上競技場)への出場に合わせて企画された。同校への訪問は2回目。

 全校児童約800人の前で行われたデモンストレーションでは、義足の選手らが校庭の端から端までを本番のレースさながらに疾走。目の前をあっという間に通り過ぎる姿に、子どもたちからは「速い」「すごい」と大歓声が上がった。

 福祉を学び始める4年生とは直接触れ合ってもらおうと、代表児童が選手との競走にも挑戦し、体育館を1周ずつ走った。「義足で大変なことはあるか」という質問に「体を工夫して使えば8段の跳び箱も跳べるし、サッカーのリフティングも300回はできる」と選手が答えると、子どもたちは驚きの声を上げた。

 選手と走った男児(9)は「テレビで見た(8日の)大会も面白かったけど、実際も速かった。足が不自由でも一生懸命頑張っていると思った」と熱を込めた。佐藤選手は「怖がらず、興味を持ってもらえてうれしかった。もし今後、自分と同じ体になったとしても悲観せず、こんな世界があることを思い出してくれたら」と話していた。

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