「今はあり得ない」夏の甲子園で延長25回、史上最長の熱闘演じた2校が記念試合 100周年の明石高と中京大中京高

中京大中京に挑む明石高校野球部=明石市荷山町

 90年前の甲子園球場で、明石中学校(現明石高校)と中京商業学校(現中京大中京高校)が、延長二十五回に及ぶ高校野球史上最長の熱闘を演じた。両校は今年、ともに創立100周年で、記念試合が5月7日に兵庫県明石市の明石トーカロ球場で開かれる。(有冨晴貴)

 明石高野球部の高石耕平監督(41)は中京大中京高の出身。両校のパイプ役を担い、記念試合実現に一役買った。当日は今春の選抜高校野球で準優勝に輝いた報徳学園も交え、練習試合を行う。中京大中京と報徳は全国大会でもたびたび上位に食い込む実力校。高石監督は「夏の大会を前に、自分たちの実力を図るいいチャンス」と意気込む。

 いまも語り継がれる明石中学と中京商の試合は、1933年の第19回全国中等学校優勝野球大会(現全国高校野球選手権大会)の準決勝。明石中学先攻で行われ、二十五回表まで両チーム無得点という投手戦になった。二十五回裏に中京商が明石中のエラーもあって1点を入れ、サヨナラ勝ちを収めた。試合時間4時間55分、イニング数は二十五回で、いずれも最長記録。中京商は決勝戦も勝ち、同大会3連覇を果たした。

 現行ルールでは延長十回からノーアウト1、2塁の状態でイニングを始めるタイブレークが導入されており、この記録を更新するのは事実上不可能だという。

 明石高キャプテンの伊藤椋平選手は「二十五回というのは今ではあり得ない」と感心する。試合に臨むに当たって「名前負けせずに、自分たちの練習の成果を発揮したい」と話した。

 明石高と中京大中京の試合は午前10時から、中京大中京と報徳は午後1時半、明石高と報徳は同4時からの予定。入場無料。

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