行楽地、コロナ前近づく 県内、大型連休スタート

天候に恵まれ、園内は家族連れでにぎわった=上山市・リナワールド

 ゴールデンウイーク(GW)が29日、始まった。今年は新型コロナウイルス「5類」移行に伴う規制緩和もあり、県内の駅などでは大型連休を古里で過ごす帰省客らが目立った。行楽地には県外からの客も増え、観光施設から利用者増を期待する声も上がる。マスク着用を継続する人は多いものの、連休期間中の楽しみ方や過ごし方は徐々にコロナ禍前に戻りつつある。

加茂水族館、開館前に列/リナワールド、県外の車並ぶ

 県内外で人気の高い鶴岡市立加茂水族館は今年、混み合う予想の5月4~6日は入館者数を制限するが、連休中の他の期間は規制しない。29日は開館前に列ができ、マスク姿の来館者も。酒田市若浜小3年高橋佐和さん(8)は数年ぶりに訪れ「小さなクラゲがかわいい。いつまでも見ていられる」と喜んだ。母親の菜美さん(44)は「今年のGWは県外にも足を伸ばしたい」と話した。

 上山市のリナワールドは、駐車場に県外ナンバーの車も並んでいた。「初日の入場者数は順調」と担当者。さらなる来場者増に期待する。来月3~5日は、人気のキャラクターショーを4年ぶりに再開予定で、仙台市太白区から家族3人で来た主婦大宮結花さん(32)は「制限緩和で混雑すると思い初日に来た。マスクを外していいか迷うが、様子を見ながら楽しみたい」と語った。

大石田のそば店、関東からも/JR山形駅、帰省客ら次々

 大石田町の「手打ち大石田そば きよ」は県内外からの客で行列ができる盛況ぶり。店長高橋厚志さん(48)は「昨年に比べ、東北だけでなく関東からも来ている」と話す。約4年ぶりに帰省した井口菜穂子さん(62)=東京都=は「先祖に都会での生活を報告できた。実家に帰ると元気になれる」と久しぶりの古里の味を楽しんだ。

 山形市のJR山形駅では、子どもを抱っこした夫婦やキャリーバッグを引く若者などの姿が目立った。東京都から山形市の父親の実家を訪れた小学6年小川宗真君(11)は「おばあちゃんに会えるのが楽しみ」、妹の同1年史遥さん(6)は「わんちゃんのお世話をするの」と声を弾ませた。JR東日本によると、この日の山形新幹線つばさは東京発午前8時56分と同9時24分の各列車が乗車率80%。GW期間(28日~5月7日)の指定席予約数はコロナ禍前の2018年に比べ9割程度まで戻っている。JRの混雑は下りが3日、上りは6日がピークの見込みだ。

連休初日、JR山形駅新幹線ホームに降り立った帰省客ら=山形市

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