スーダン情勢安定へ連携 日エジプト首脳、秩序維持

会談前に握手を交わすエジプトのシシ大統領と岸田首相(左)=30日、カイロ(共同)

 【カイロ共同】岸田文雄首相は30日(日本時間同)、中東・アフリカの大国エジプトのシシ大統領とカイロで会談した。戦闘が続く隣国スーダン情勢の早期安定に向けた緊密連携を確認。岸田氏は先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)議長として積極的に貢献するとして避難民らへの緊急人道支援の用意があると伝えた。法の支配に基づく国際秩序を守る重要性と、力による一方的な現状変更は認められないとの認識を共有した。ロシアのウクライナ侵攻が念頭にある。

 両首脳は、スーダンで2021年に起きたクーデター後の民政移管プロセスの再開に向けた連携を申し合わせた。岸田氏はスーダン対応で、アフリカの角地域関連担当大使をエジプトや関係国に派遣すると伝達した。

 シシ氏は会談後の共同記者発表で、即時で恒久的な戦闘の停止が必要だとの見解を示した。スーダン危機に外部勢力が干渉しないことも重要だと指摘した。

 ウクライナ侵攻について、岸田氏は共同記者発表で「国際秩序の根幹を揺るがす暴挙」と非難した。

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