LNG需給「今冬は厳しい」 JERA社長、各国の争奪戦激化

インタビューに応じるJERAの奥田久栄社長

 東京電力と中部電力が折半出資する日本最大の発電会社JERA(ジェラ)の奥田久栄社長(58)が30日までに共同通信のインタビューに応じ、火力発電燃料に使う液化天然ガス(LNG)の需給が「今年の冬は相当厳しい」と危機感を表明した。LNGを巡る各国との争奪戦激化を理由に挙げた。

 LNGを巡っては、ロシアからの供給が細り他国からの調達を急ぐ欧州や、景気回復に伴う需要増が見込まれる中国も、安定確保に向けた動きを活発化させている。

 2022年度は「想定外の暖冬で(需要が減り)幸運にも乗り切った」と振り返った。今冬は、想定される需給逼迫の回避に向け「どこでどれだけのLNGが余っているか把握し、即座に判断し取引する」と訴えた。長期契約も活用し、安定確保を目指す。

 脱炭素では、燃焼時に二酸化炭素(CO2)を出さないアンモニアを石炭に20%混ぜて発電する大規模実証試験を愛知県の碧南火力発電所で23年度内に始める。

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