廃止の寮で焼き肉か 金大旧泉学寮、報知機作動

 29日午後11時52分ごろ、金沢市野町5丁目にある金大の旧学生寮「泉学寮」の建物で火災報知機が作動した事案で、現場の1階玄関に燃えた炭が入った鍋や、肉などの食材が残されていたことが、市消防局への取材で分かった。肉などを焼いた煙に反応した可能性がある。消防隊が駆け付けた際には誰もいなかったものの、関係者以外立ち入り禁止の敷地内に何者かが入っていたとみられる。

 消防局によると、現場にあった鍋の上には焦げた網が置かれ、周囲に食材があった。鍋が置かれた床の一部は焦げていたという。寮の警備会社が119番通報した。けが人はいなかった。

 泉学寮は男子寮で、老朽化のため金大が3月末での廃止を決め、4月7日までに全員が転居していた。ただ、その後も人が立ち入る様子が周囲の住民に目撃されている。

 会社員の男性(50)は4月下旬の未明に、懐中電灯を手に敷地内を歩く人の姿を見たという。「立ち入り禁止のバリケードが開けられていた。誰だか分からない人が出入りするのは気持ち悪い」と話した。

 別の男性(75)は28日の午前中に若い男性3、4人が駐車場側の扉から建物内に入るのを見たといい、「誰も住んでいないはずなのにと不思議だった」と表情を曇らせた。

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