ファースト銀売却先決定へ 入札にJPモルガンなど

ニューヨーク・マンハッタンにある米ファースト・リパブリック銀行の支店=24日(ゲッティ=共同)

 【ニューヨーク共同】経営危機に陥った中堅銀行ファースト・リパブリック銀行を巡り米連邦預金保険公社(FDIC)は、4月30日(日本時間5月1日)にも売却先を決めて公表する見通しだ。ロイター通信は、売却先の入札にJPモルガン・チェースとPNCファイナンシャル・サービシズ・グループなどが参加したと報じた。

 欧米メディアによると、ファースト銀の信用不安による世界の金融市場への悪影響を抑えるため、FDICは週明けのアジア株式市場の取引が始まる前の公表を目指す。

 米国では3月のシリコンバレー銀行(SVB)などの経営破綻に伴い銀行の信用不安が広がり、財務の健全性が不安視されてきたファースト銀は預金の流出が続いていた。3月末時点の預金残高は、昨年末より4割減っていた。

 ファースト銀は米カリフォルニア州サンフランシスコを本拠地とする。昨年末時点の資産規模は2126億ドル(約29兆円)で、銀行で全米14位。

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