石油施設火災は反転の一環 ウクライナ、攻撃認める

4月29日、クリミア半島セバストポリで、炎と煙を上げて燃える石油備蓄施設の前で無線機を使う消防士(ラズボジャエフ市長のテレグラムから、AP=共同)

 【キーウ共同】ウクライナ軍のフメニュク報道官は4月30日、ロシアが実効支配するクリミア半島セバストポリで同29日に起きた石油備蓄施設の火災は無人機(ドローン)による攻撃で、ウクライナ軍が計画する大規模な反転攻勢の「準備の一環」だと述べた。ロシア紙コメルサント電子版などがウクライナメディアを引用して報じた。

 ウクライナ側が攻撃したことを事実上認めた形。「ロシア軍は浮足立ち、家族を半島外に移動させている」とも発言しており、5月中とも指摘される大規模反攻の準備が進んでいることを示してロシア側の動揺を狙ったとみられる。

 クリミアは2014年にロシアが一方的に併合した。4月29日、ロシア黒海艦隊が司令部を置くセバストポリの海岸付近で石油施設が炎上。ラズボジャエフ市長は無人機攻撃だと表明した。

 けが人は出なかったが、ウクライナ軍当局者は同艦隊用の計4万トン超の容量を持つ10以上の石油タンクが破壊されたと述べた。関与については明言していなかった。

© 一般社団法人共同通信社