倶利伽羅峠、楽しく散策 4年ぶり「夢街道ウォーク」

出発を前に気合を入れる越中コースの参加者=富山、石川県境の倶利伽羅峠山頂

 富山県小矢部市と石川県津幡町を結ぶ旧北陸道の倶利伽羅峠を舞台にした歴史国道イベント「くりから夢街道ウォーク」が30日、4年ぶりに開かれた。富山、石川両県の参加者約200人が越中、加賀の2コースに分かれ、峠の山頂からの散策を楽しんだ。

 越中コースは源平の郷(さと)埴生口(小矢部市埴生)までの約4.2キロ。参加者は、平安末期の源平倶利伽羅合戦で平家軍の最前線だったと伝わる「塔の橋」や、峠の休憩所として多くの旅人が立ち寄ったとされる「峠茶屋跡」などを巡った。

 道中では地元の観光ボランティア「おやべメルヘンガイド」のメンバーが名所を解説し、武者にふんした男女が途中まで先導した。

 小矢部市石動小学校3年の筒井心美(ことみ)さんと、妹で同2年の奏美(かなみ)さんは「階段の上り下りが大変だったけど、楽しかった」とすがすがしい笑顔で話した。加賀コースでは、参加者が源平の郷竹橋口(津幡町)までの約5.3キロを歩いた。

 峠の山頂にある源平古戦場猿ケ馬場でセレモニーがあり、宮永幸弘実行委員長や桜井森夫小矢部市長、矢田富郎津幡町長らがあいさつ。市無形民俗文化財の越中源氏太鼓などが披露され、歴史国道にまつわるクイズもあった。

 合戦にちなみ、源氏(小矢部側)と平家(津幡側)に分かれて対戦する名物の大綱引きは新型コロナウイルスの影響で取りやめた。

 イベントは歴史国道を観光資源として守り育てようと1996年に始まった。2020年と21年は新型コロナの影響で、22年は雨でそれぞれ中止していた。両市町などでつくる実行委と北日本新聞社などが主催。

武者役を先頭に歩く参加者
歴史国道の名所などについて説明するおやべメルヘンガイドのメンバー
セレモニーであいさつする宮永委員長(右)
会場を盛り上げる越中源氏太鼓のステージ

© 株式会社北日本新聞社