
東京電力福島第1原発事故による福島県飯舘村の帰還困難区域のうち、特定復興再生拠点区域(復興拠点)約186ヘクタールと拠点外の公園用地約0.64ヘクタールは1日、避難指示が解除された。7市町村にまたがる帰還困難区域で復興拠点外の解除は初めて。6町村に設けられた復興拠点で住民帰還を伴う解除はこれで完了した。
かつての中心市街地などを復興拠点として、国が除染やインフラ整備を担い、昨年6月から避難解除を進めてきたものの戻る住民は少ない。今後、住宅が点在する拠点外では帰還意向を調査した上で除染する範囲を決める新たな仕組みで解除を進めるが、復興へのハードルはさらに高そうだ。
この日は午前10時、帰還困難区域の境界で国の担当者が「ゲート開放」と号令。パトカーと消防車両が、避難解除されたばかりの区域へパトロールに出かけた。
第1原発の北西約30~50キロに位置する飯舘村は、全村避難を強いられた。2017年3月に面積の95%が避難解除されたが、南部の長泥地区は帰還困難区域のまま残った。

