煉瓦煙突前でラップ 茨城・結城で音楽祭 

老舗酒蔵でのコンサートに盛り上がる観客=結城市結城

茨城県結城市内の寺社や酒蔵などを舞台にした音楽祭「結いのおと」が4月22、23の両日開かれた。昨年5月に火災に見舞われた老舗酒蔵「結城酒造」では、ヒップホップグループの「THE BLUE HERB」らが出演。火の手を逃れた国登録有形文化財の「煉瓦(れんが)煙突」を前に力強いラップを披露し、観客を熱狂させた。

結いのおとはTMO結城主催、結いプロジェクト運営。街歩きと音楽を楽しめるイベントとして2014年に始まり、今年で10回目を迎えた。発起人の野口純一さん(44)によると、結城酒造は初回からほぼ毎年会場に使われている。同社では以前、酒蔵コンサートを開いていたこともあり、音楽で街を盛り上げようとする野口さんらの取り組みに提供を快諾した。

1年前の火災では国登録有形文化財の酒蔵2棟などが全焼した。会場では募金箱が置かれ、ステージ最後に登場した野口さんは「結いのおとの10年は結城酒造から始まった。これからも応援してほしい」と支援を呼びかけた。

5年前から毎年来ているという筑西市の会社員、川田容佑さん(39)は「初めて来て最初に入った会場が結城酒造だった。思い入れがある場所。復興に向けて頑張ってほしい」と期待した。

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