猛チャージでプレーオフまであと一歩 古江彩佳“らしい”待ち時間の過ごし方

ホールアウト直後 いつも通りのファンサービス(撮影/村上航)

◇JMイーグルLA選手権 presented by プラストプロ 最終日(30日)◇ウィルシャーCC (カリフォルニア州)◇6258yd(パー71)

通算8アンダーでホールアウトした時点で、古江彩佳の名前がスコアボードのトップグループに加わった。後ろに10組を残しているとはいえ、最終ホールで5mのバーディパットをねじ込んだクラブハウスリーダーに周囲は興奮の渦に包まれた。

当の本人はといえば、ファンへのサイン対応に記念撮影、海外メディアのインタビューまでこなして、談笑しながら後続のホールアウトを待っていた。7打差から逆転優勝間近まで持ち込んだ強さは、きっとここにある。

いつもどおりの笑顔(撮影/村上航)

追い上げている最中も、ピンチが来ても“いつも通り”を貫く。前半でボギーなしの3バーディを奪うと、首位グループが伸ばしあぐねて通算7アンダーまで落ちてきた。12ホールを終えた時点で2打差に迫ったが、13番(パー5)でこの日初めてトラブルが来た。

フェアウェイからの2打目が「うまく打てなくて」とラフに入り、3打目がショートして手前のバンカー。4オン2パットでボギーをたたいて通算4アンダーに後退。「難しいけど、パー5なのでせめてパーで終わらせなきゃいけなかった」と悔やんだ気持ちは脇目に感じさせず、すぐに切り替えた。

難関3ホールで3連続バーディ(撮影/村上航)

14番で6m弱をねじ込みバウンスバックを決めると、難度の高い上がり3ホールで猛チャージ。16番は1m、17番で4mを入れて首位と1打差。18番(パー3)はティショットが手前5mに着弾。「トップに並ぶと分かってはいましたが、まだ残りホールもあるので、できるだけ(順位を)上げないと」とプレッシャーをかけながらも冷静さは失わず、しっかり打ち切ったバーディパットはラインに乗り、カップに消える前にギャラリーから歓声が沸いた。

ヤーデージブックとにらめっこ これが強さの秘訣です(撮影/村上航)

プレーを終えた直後に優勝は「“ない”に近い」と思いながら、待機した約1時間。後続を気にしつつ「様子を見ながら練習して、また集中して」とキャディやチームと過ごした。アディティ・アショク(インド)とリン・シユ(中国)が通算9アンダーでホールアウトしたことで優勝は消えたが、笑顔でキャディに手を振ってクラブハウスに引き上げた。

この日マークした「65」は「驚きもあるし、驚きでもない。真ん中くらい」。米2勝目がそう遠くないことも、きっとどこかで予感している。(カリフォルニア州ロサンゼルス/谷口愛純)

「65」で7打差から猛追(撮影/村上航)
20分ほどファン対応を続けた(撮影/村上航)

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