野球少女が水上デビュー ボートレーサー田上さん(上富田出身)

ボートレーサーとしてデビューする田上凜さん(日本モーターボート競走会提供)

 和歌山県上富田町出身の田上凜さん(21)が、プロのボートレーサーとして今月にデビューする。小学1年生から9年間、野球チームで白球を追いかけ、和歌山工業高等専門学校(御坊市)の在学中にボートレーサーを志願した。田上さんは「家族や地元の人たちの応援を力に変えたい」と話している。

 田上さんは生馬小学校、上富田中学校出身。小学生の時は地元の少年野球と女子野球のチームに所属し、女子の県選抜チームでは全国大会に出場した。中学ではソフトボール部と地元の女子硬式野球チームでプレーした。

 和歌山高専ではバスケットボール部に所属。2年生の時にボートレースのテレビCMを見て、自分がボートに乗っている姿がすぐに思い浮かび「運命を感じた」という。

 4年生の終わりに「試験の雰囲気を感じたい」と、ボートレーサー養成所(福岡県柳川市)の選考試験を受けた。学科や基礎体力、適性検査、面接などの試験に一発合格。第132期生の志願者1397人中、52人合格の狭き門を突破した。

 田上さんは高専を休学し、昨年4月から1年間、ボートレーサーに必要な知識と技術を学んだ。訓練を乗り越え、10~14日に兵庫県尼崎市のボートレース尼崎であるデビュー戦に臨む。「今から緊張しているが、先輩に胸を借りるつもりで頑張る。自分の力で上がっていく世界。日々精進し、和歌山の人にボートレースの魅力を伝えられる選手になりたい」と抱負を話している。

 日本モーターボート競走会によると、和歌山県出身の現役レーサーは4人目。女子は2020年11月にデビューした、かつらぎ町出身の池田なな選手に続いて2人目となる。

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