米ファースト銀、経営破綻 史上2番目、金融不安に市場警戒

米ニューヨーク市にあるファースト・リパブリック銀行の支店=4月24日(ゲッティ=共同)

 【ニューヨーク共同】米連邦預金保険公社(FDIC)は1日、米中堅銀行ファースト・リパブリック銀行が経営破綻し、公的管理下に置くと発表した。同時に米金融大手JPモルガン・チェースが買収することで合意した。米銀の破綻は今年3行目。破綻した銀行の資産規模としては2008年のリーマン・ショック後最大で、米史上2番目となる。

 3月のシリコンバレー銀行(SVB)破綻に始まった米国の金融不安が一段と高まった。米当局は早めの対処で影響を最小限にとどめ、米金融システムへの信頼をつなぎとめたい考えだが、日本をはじめ世界の市場で警戒感が広がりそうだ。

 JPモルガンはファースト銀の全預金と実質的な全資産を引き継ぐ。ファースト銀の84店舗は1日から、JPモルガンの支店に衣替えして営業する。

 SVBの破綻を受け、ファースト銀は財務の健全性が不安視され、預金の流出が始まった。JPモルガンを含む大手銀行から預金による支援を受けたが、3月末時点の預金残高は昨年末より4割減少。株価は3月上旬の120ドル前後から、前週末には3ドル台まで暴落していた。

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