青森県知事選、小野寺氏が公約発表 「創業年400社以上」「子育て経費順次無償化」

知事選に向けた政策を発表する小野寺氏=1日、青森市内で

 5月18日告示、6月4日投開票の知事選に出馬する前青森市長・小野寺晃彦氏(47)は1日、青森市内で公約を発表した。「実行力!」をキャッチフレーズに、経済分野は「年間400社以上」の創業で雇用をつくると表明。子育て分野は小中学校給食費を皮切りに「子ども子育て経費」を全県で順次、無償化する政策を掲げた。小野寺氏は記者会見で「人口減少に歯止めをかけるための政策を柱に掲げた」と述べた。

 公約は県内6圏域別の政策を含め、計72項目。各圏域に経営相談窓口「スタートアップセンター」を配置し、年間400社以上の創業を目指す。中南地域は産学連携のバイオ関連、三八地域は情報通信技術(ICT)関連などを想定する。

 青森市長として市立小中学校に対して実施した給食費無償化を全県に拡大する方針。さらに保育所副食費、0~2歳児保育料の順に無償化を実現させるという。財源は「政府の『次元の異なる少子化対策』を取り込みながら、着実にステップを踏みたい」とした。

 物価・エネルギー高騰対策として、1万円と引き換えに1万5千円分が使えるプレミアム付き商品券を県民全員に発行する政策を掲げ「複数回とはいかないが、直ちに予算を諮れるよう準備したい」とした。2023年度末に閉館する棟方志功記念館(青森市)は「耐震を満たして残す形で努力したい」と存続させたい考え。

 公約には「農業産出額3500億円台へ」「年間3500万人の観光客受け入れへ」など数値目標が並ぶ。青森県の農業産出額は直近の21年に3277億円だった。観光入り込み客数は、新型コロナウイルス禍前の3544万人(19年)と同水準を掲げた。

 創業支援を巡っては、22年度に県内の支援拠点を利用した創業者が237人で最多を更新。そのうち青森市の窓口を通じた創業分も101件(市公表)で過去最多となっている。

 財源の捻出について、小野寺氏は「税収確保を大前提に国の制度も取り込み、知事が代わる節目なので(事業の)配置換えなどで歳出を見直す」と述べた。

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