朝乃山が9場所ぶり幕内復帰 夏場所、東前頭14枚目に

朝乃山

 日本相撲協会は1日、大相撲夏場所(14日初日・両国国技館)の新番付を発表し、元大関朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は東前頭14枚目となり、9場所ぶりの幕内返り咲きとなった。幕内力士として土俵に上がるのは2021年夏場所以来、2年ぶり。春巡業や出稽古などで精力的に稽古を積んでおり、元の位置に戻るための真価が問われる場所に挑む。

 朝乃山は2場所連続の十両優勝を狙って臨んだ先場所で、13勝2敗と好成績を収めたが、逸ノ城の14勝に及ばず、2連覇は逃した。番付は東十両筆頭から4枚上昇した。

 先場所は終盤で立ち合いに精彩を欠き、納得いく相撲が取れなかった。得意とする右四つで勝利する相撲は少なく、課題も露呈した。千秋楽で朝乃山は「今のままでは幕内で勝てない」と口にしていた。

  ●課題克服へ巡業で稽古

 その言葉通り、3年半ぶりに春巡業に参加した朝乃山は、課題克服へ稽古に精進した。1年間の謹慎期間に加え、謹慎明け後も新型コロナウイルスの影響で出稽古が制限され、経験値不足が否めない状況だった。普段は本場所でしか顔を合わせない関取衆と相撲を取り、相撲勘を取り戻す。

 巡業中には、同じ右四つの横綱照ノ富士から身ぶり手ぶりを交えて、四つ相撲の助言を受ける場面もあった。時津風部屋での出稽古では、照ノ富士から指名されて6番連続で相撲を取って2勝4敗。右四つから一気に横綱を押し込む一番もあった。朝乃山は「横綱の指名で相撲が取れてよかった」と充実感を漂わせた。

 協会が公式ユーチューブチャンネルで公開した動画に出演した朝乃山は「来場所も優勝目指して頑張ります」と宣言した。

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