米大統領、銀行の規制強化 ファースト銀破綻で意向

1日、米ワシントンで演説するバイデン大統領(AP=共同)

 【ワシントン、ニューヨーク共同】バイデン米大統領は1日の演説で、中堅銀行ファースト・リパブリック銀行の破綻を踏まえ、銀行への規制強化を改めて進める意向を示した。3月のシリコンバレー銀行(SVB)などの破綻で検討してきたが「再びこのような状況に陥らないようにしなければならず、そのための道を順調に進んでいる」と述べた。ファースト銀の経営陣の責任を追及する考えも示した。

 米銀の破綻は今年3行目。ファースト銀の総資産は4月13日時点で2291億ドル(約31兆円)に上り、2008年の金融危機リーマン・ショック後最大で、米史上2番目の銀行破綻となった。

 金融大手JPモルガン・チェースが買収し、ファースト銀の預金と大半の資産を引き継ぐことになった。バイデン氏は「全ての預金者は保護される」と強調。相次ぐ銀行破綻を受けた市場の動揺を沈静化する狙いがあるとみられる。

 一方、投資家は今回の買収を好意的に受けとめたもようだ。1日の米株式市場でJPモルガンの株価は上昇し、前週末と比べ2%超値を上げた。

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