中国宇宙船で日本が初実験へ 7月から東大の研究チーム

中国の宇宙ステーション「天宮」周辺で船外活動を行う飛行士(新華社=共同)

 中国が開発した宇宙ステーション「天宮」で、日本から唯一参加する東京大の研究チームが中国の大学と共同で7月から実験を始めることが2日、分かった。関係筋が明らかにした。ロケットエンジンに関する基礎研究を実施する。天宮では日本や欧州、南米など17カ国の実験を予定。日米などの国際宇宙ステーションは老朽化しており、世代交代が進む可能性がある。中国の習近平指導部は「宇宙外交」を展開、競争が激化する宇宙分野開発の主導権を握る構えだ。

 東京大のチームは航空宇宙工学の専門家を中心に、中国・清華大と共に流体力学に関する研究を無重力の環境を利用して行う。宇宙ロケットや航空機エンジンの燃焼部で発生するとされる現象の基礎研究で、天宮に滞在する宇宙飛行士らが今年7~9月の実施に向け準備を進めているという。

 2019年6月に国連宇宙部と中国政府が「天宮」での実験計画を採択。ベルギーやインド、メキシコ、サウジアラビアといった宇宙開発の後発国を含む17カ国の機関の参加が決定した。

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