【2023年】トヨタ 新型クラウンクロスオーバーの納期やボディサイズ、燃費、内装など最新情報をお届け|納期は約1年待ちですでに契約できないグレードも

トヨタは2022年7月15日(金)、16代目となる新型クラウンの4つのボディタイプを発表しました。そのうちの1つである新型クラウンクロスオーバーは2種類のエンジンタイプを用意しています。新型クラウンクロスオーバーの納期やサイズ、価格、燃費や買い得グレードをカーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんが詳しく解説します。

トヨタ 新型クラウン(クロスオーバー) トヨタ 新型クラウン(クロスオーバー)

新型クラウンクロスオーバーのおすすめポイント

・全車に4輪操舵機能が装着されたことで小回り性能と走行安定性を向上

・後席が広くセダンボディとあって静粛性も満足できる

・従来のクラウンとは異なる革新的なボディスタイルの採用

新型クラウンクロスオーバーのレビュー・評価

総合評価 3.4 ★★★☆☆

5段階採点の解説

外観

大径ホイールとタイヤが装着され、それを縁取るフェンダーには、ブラックの樹脂パーツが備えられています。

SUVのデザイン手法ですが、新型クラウンクロスオーバーのボディタイプはセダンです。後席と荷物を収めるトランクスペースは分離され、小さなトランクフードを使われています。

内装

インパネは高級車によくある派手さはないですが、造り込みはていねいで落ち着いた印象に仕上がっています。従来のクラウンとは、デザインや手触りが大幅に異なります。メーターの視認性や操作性は良好です。

走行性能

2.4Lターボエンジン, 2.5Lエンジン
2.4Lターボエンジン, 2.5Lエンジン

エンジンはハイブリッドのみで、ターボと自然吸気(ターボなどの過給機を使わず大気圧でシリンダー内に吸気するエンジンタイプ)の2種類です。

ターボは低回転域から過給を開始して、発進直後にアクセルペダルを軽く踏み増しただけでも、速度を着実に上昇させます。自然吸気も実用回転域の駆動力に余裕があります。

運転のしやすさ

全長は5m弱の大柄なボディですが、後輪操舵のDRS(ダイナミックリアステアリング)を装着したことで、低速域では後輪が前輪とは逆方向に操舵され、最小回転半径は5.4mに収まります。大きなボディサイズの割には運転しやすい印象です。

前方視界は良好で、ボンネットも視野に入ります。注意したいのは後方視界で、サイドウインドウやピラーなどの構造により、後方が確認しづらくなっています。

乗り心地

21インチタイヤ, 19インチタイヤ
21インチタイヤ, 19インチタイヤ

乗り心地は快適です。特に19インチタイヤ(225/55R19)を履いたGアドバンストは、21インチ(225/45R21)を装着するレザーパッケージよりも柔軟でした。

その他(居住性、運転支援機能)評価の解説

居住性については、新型クラウンクロスオーバーの場合、後席に個性があります。

燃料タンクを床下に搭載して、バイポーラ型ニッケル水素電池を後席の下に設置したため、トランク容量は十分に確保できましたが、後席の床が少し高いです。

全高を1540mmに抑えたこともあり、後席は床と座面の間隔が不足しています。座ると膝が持ち上がり、腰は落ち込みます。小柄な乗員は、大腿部を押された感覚になりやすいです。

その代わり後席の足元空間は広いです。身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先には、握りコブシが4つ入る余裕があります。背もたれや座面の造りも良好で、腰の落ち込む姿勢に不満がなければ長距離移動も快適です。

また遮音を入念に行い、トランクスペースを分離させたセダンボディを採用したことで、ノイズは小さいです。ノイズを抑えたことで、4気筒エンジンの粗い音質が逆に聞こえやすくなった面もありますが(夜中に時計の音が大きく感じるのと同じ理由です)、静粛性は良好です。

新型クラウンクロスオーバーの安全装備や運転支援機能については先進的です。

高速道路の渋滞時にステアリングホイールから手を離しても運転支援機能が続けられる機能や、車外からスマートフォンで車庫入れの操作が行える機能などを採用しています。

よかった点

・2.4Lのターボハイブリッドは動力性能に余裕がある

・4WDの採用により、高速道路や峠道では安心して運転できる

・全高が1540mmに抑えられたことで立体駐車場も利用しやすい

気になった点

・全長が4930mm、全幅は1840mmと大柄で街中では運転しにくい

・セダンボディなのでSUVとしては荷室の使い勝手が良くない

・新型ノア&ヴォクシーで幅広く設定される安全装備が新型クラウンクロスオーバーでは上級仕様に限られる

新型クラウンクロスオーバーの基本スペック・価格表

新型クラウンクロスオーバーのパワーユニット(動力源)はハイブリッドのみで、直列4気筒2.5Lエンジンをベースにしたタイプと、2.4Lターボの2種類があります。

新型クラウンクロスオーバーのボディサイズ

新型クラウンクロスオーバーのボディサイズは全長は4930mm、全幅は1840mm、全高は1540mmです。

新型クラウンクロスオーバーの燃費

ターボ車は、プレミアムガソリン(ハイオク)を使ってWLTCモード燃費は15.7km/Lです。燃料価格を1リッター当たり170円/Lで計算すると、1kmの走行コストは10.8円です。

2.5Lハイブリッドは、160円/Lのレギュラーガソリンを使ってWLTCモード燃費が22.4km/Lなので、1kmの走行コストは7.1円です。従って2.4Lターボの燃料代は、2.5Lの1.5倍に達します。

新型クラウンクロスオーバーの発売日と納期の目安

新型クラウンは2022年7月15日にフルモデルチェンジを受けて、16代目になりました。近年のクラウンは、先代型を含めてセダンのみを用意していましたが、新型クラウンには4種類のボディがあります。そのうちの一つ、最初に登場したのが新型クラウンクロスオーバーです。

納期については4月下旬に首都圏のディーラーに問い合わせたところ、2.4Lターボ、2.5Lどちらも2024年3月までの生産分が残りわずかとなっており、一部地域では2.4Lターボはすでに契約できない状況になっています。

運よく契約できたとしても納期は1年ほどです。気になっている方はお早めに、また商談する時には生産枠について確認するようにしましょう。

新型クラウンクロスオーバーのおすすめグレード

新型クラウンクロスオーバー Gアドバンスト

おすすめグレード:Gアドバンスト(510万円)

2.4Lターボは全車に本革シートを装着するなど装備を充実させたこともあり、価格が高騰しました。RS(605万円)も装備が充実していて、本革シートを標準装着しており、その内容は2.5LではGレザーパッケージ(540万円)に近いです。

価格を比べるとRSが65万円高いですが、RSには路面に応じて減衰力を自動調整する電子制御式可変ダンパー(AVS)なども標準装着されており、ハイブリッドシステムの正味価格差は57万円です。

ほかのトヨタ車では、ノーマルエンジンとハイブリッド(THSII)の価格差を35〜40万円に設定する車種が多く、ハイブリッドシステムの上級化で価格が実質57万円増えるのは、かなり高額です。

しかも燃料代も1.5倍に増えますので、推奨グレードは2.5Lハイブリッドを搭載するGアドバンスト(510万円)です。

Gアドバンストは先行車や対向車に光が当たる部分だけを自動的に遮光するアダプティブハイビームシステムはありませんが、オートマチックハイビームがついています。また、シートがレザーではなく上級ファブリック+合成皮革が採用されています。

このようにGアドバンストは過剰な装備はついていませんが、実用装備は過不足なくあり、装備品としては充実しています。

新型クラウンクロスオーバーのカラーバリエーション

新型クラウンクロスオーバーを販売店で試乗するときのポイント

4輪操舵機能を採用したことで、最小回転半径は5.4mに収まりますが、ボディは大柄です。

後方視界もあまり良くないので、購入時には縦列駐車なども試しましょう。セダンボディで荷物の出し入れもしにくいため、荷室の使い勝手も確かめておくと安心です。

またインパネ周辺など、内装の質感も好みが分かれるので、チェックしましょう。

その一方で動力性能には余裕があり、走行安定性は良好です。走りの良さも確認しましょう。

【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:堤 晋一/MOTA編集部】

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