
近畿日本ツーリストは2日、新型コロナウイルスワクチン接種業務などを受託した事業の過大請求の総額が、書類の不備など疑いのあるものも含めて最大で約16億円となり、請求先は全国86の自治体や企業に上るとの社内点検の結果を公表した。
高浦雅彦社長は2日、東京都内で記者会見し「社会の信頼を裏切り、多大な迷惑をかけたことを改めておわび申し上げる」と謝罪。原因について社員の法的知識が不十分だったことに加え、「営業目標を達成したいとの思いが強く働いていた」と一部では意図的な不正もあったと説明した。
過大請求だと判断したのは、すでに判明している静岡県焼津市や大阪府東大阪市など16自治体の計約5億8千万円。このうち公表の了承を得られていない9自治体名は明らかにしなかった。ワクチン接種会場運営やコールセンター業務で、自治体から指定された人数より少ない人数で、再委託先に発注していた。
このほか、現時点で過大請求の疑いが出ているのは70の自治体や企業で最大約10億円。