首相、韓国でおわび継承表明へ 徴用工解決策後押し、首脳再会談

岸田文雄首相、韓国の尹錫悦大統領

 岸田首相は7日に韓国を訪問し、尹大統領とソウルで会談する。元徴用工訴訟問題を巡り、植民地支配への痛切な反省と心からのおわびを明記した1998年の日韓共同宣言に言及し、歴史認識に関する歴代内閣の立場を引き継いでいるとの姿勢を表明する方針だ。韓国政府が進める解決策を後押しする狙い。半導体の供給網強化など経済安全保障面での協力も申し合わせる。日韓外交筋が2日明らかにした。

 日本の首相による訪韓は18年2月の当時の安倍首相以来。韓国政府の解決策を巡っては、韓国内で日本側に譲歩した「屈辱外交」との批判が続出。首相は3月の東京での首脳会談で示した「おわび」継承の姿勢を韓国で直接表明することで理解を得たい考えだ。日本の「誠意ある呼応」に期待する韓国世論の反応が焦点となる。

 韓国政府は4月、日本企業の賠償支払いを韓国の財団が肩代わりする解決策に基づき勝訴が確定した元徴用工ら15人のうち10人の遺族に対する賠償金相当額の支給を完了した。首相は会談で残る原告らへの手続きを着実に進めるよう要請する見通しだ。

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