航空大手2社、3年ぶり黒字 23年3月期、旅行が回復

羽田空港の駐機場に並ぶ全日空機と日本航空機=2020年10月

 大手航空2社の2023年3月期連結決算が2日出そろい、日本航空とANAホールディングス(HD)の純損益がいずれも黒字となった。通期で黒字になるのは両社とも3年ぶり。新型コロナウイルス対策の行動制限がなくなって国内旅行が回復したほか、訪日外国人の増加が追い風となった。両社は24年3月期も黒字を見込んでおり、コロナ禍による最悪期を脱した。

 日本航空が2日発表した23年3月期の純損益は344億円の黒字(前期は1775億円の赤字)。売上高は前期比約2倍の1兆3755億円だった。

 東京都内で記者会見した同社の赤坂祐二社長は、国際線の回復は国内線よりも遅れていると説明。「政府の水際対策の終了が、日本人の海外旅行の増加につながることを期待したい」と語った。貨物専用機を13年ぶりに導入し、物流市場の需要拡大を取り込む考えも示した。

 ANAHDは純損益が894億円の黒字(前期は1436億円の赤字)で、売上高は67.3%増の1兆7074億円だった。

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