高浜1、2号の再稼働延期 対策工事で、日程見通せず

関西電力高浜原発1号機(右)と2号機=福井県高浜町

 関西電力は2日、6~7月ごろに予定していた高浜原発1、2号機(福井県高浜町)の再稼働を延期すると発表した。新たな再稼働日程は未定としている。原子力規制委員会から火災防護対策が不十分と指摘を受け、追加工事が必要になった。規制委に提出した工事計画などの審査が続いているため、再稼働が遅れる見通しとなった。

 福井県内では既に関電の原発5基が稼働中。関電は、高浜原発の2基の再稼働で7基態勢になれば、原子力利用率を東日本大震災前と同水準に引き上げられると試算しており、火力発電などの燃料費を抑えられることから、純利益も過去最高と予想している。再稼働延期で利用率が下がると業績にも直結する。関電は「今夏の電力安定供給に向け、再稼働できるように努める」としている。

 高浜1号機は運転開始から48年、2号機は47年が経過し、1号機が再稼働すれば国内最高齢原発の運転となる。2021年、福井県と高浜町が再稼働に同意した。テロ対策施設完成後に再稼働する計画だった。

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