I型、T型、Π型… あなたは何型の人材タイプ?キャリア形成に役立つ人材タイプの分類法と新登場の「J型人材」とは?

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T型人材やΠ(パイ)型人材といった言葉を耳にしたことはあるでしょうか?

これらの言葉は、専門性を縦の軸、幅広い領域への理解を横の軸としてビジネスパーソンを分類するキーワードです。

「自分は今何型人材で、今後何型人材を目指すべきなのか」について考えることは今後のキャリアを考える上で一つのヒントとなるはずです。

この記事ではHR市場で用いられる人材のタイプを網羅しています。今後目指すべきなのはどのタイプなのか、今の自分と照らし合わせつつ考えてみてはいかがでしょうか?

I型人材と一型人材

この記事で紹介する人材タイプの基礎となるのがI(アイ)型人材と一(イチ)型人材という分類です。その2つは「スペシャリストかゼネラリストか」によって分けられます。

I型人材


スペシャリストのこと。

縦棒が上下に伸びるようにある一分野に特化して秀でている人材を指します。戦後日本を支えた研究者や開発者、職人などが代表的で、かつては市場価値の高い人材の代表例でした。

一型人材


ゼネラリストのこと。

さまざまな分野に浅く広く精通しており、いわゆる総合職や管理職に多いといわれています。

両方を兼ね備えたT型、Π型、△型、H型

昨今は、I型、一型のいずれの側面も持つ人材に注目が集まる傾向にありました。

そのような人材はT型、Π型、△(トライアングル)型、H型などさまざまなタイプに分けられます。それぞれの概要を見ていきましょう。

T型人材


I型、T型両方の側面を持ち、一つの専門分野に精通したうえで広い知識も有している人材。一つの専攻(メジャー)を有しているためシングルメジャーとも呼ばれます。グローバル化、多様化が進んだ社会では、専門分野がありかつ広い知識と視野を有するT型人材が活躍するとされてきました。

Π型人材


2つの専門分野を持つT型人材のことで、ダブルメジャーとも呼ばれます。T型人材以上に稀少な人材です。

△型人材


3つの専門分野を持つT型人材のことで、トリプルメジャーとも呼ばれます。△型人材になればあえて幅広い知識を持とうとせずとも、市場から求められるといわれています。

H型人材


深い専門スキルと広い知識を基盤として、ほかのT型人材とのつながりを仕事に活用できるT型人材のことです。異なる分野の専門家との協業によりイノベーション(技術革新)を起こすことが期待されるためイノベーション人材とも呼ばれます。デザイン・エンジニアリング、ビジネスなど現代の企業に必要な領域を越境して人材をつなげる役割を果たすことから越境人材と表現されることもあります。

新たに提唱されているJ型人材とは?

J型人材とは、専門性が高まることでほかの一流の専門家とのつながりを獲得するまでにいたったT型人材のことです。この言葉は、株式会社トライバルメディアハウス代表取締役社長の池田紀行氏によって提唱されました

池田氏によると、J型人材は専門性をトップクラスまで高めることで“地下水脈”ともいうべきトップクラスの専門人材の集まりに加わることができるようになった人物を指します。

その道の第一人者と交流することで、一流の人間の視点と考え方の一端に触れることができます。そのことは専門外の分野について学ぶ一番の近道であり、J型人材となることでさまざまな専門性の芽を育てることができるのです。

結局どの人材を目指すべき?

どの人材を目指すべきかは、自身が現在どの人材に当てはまるのかによって異なります。

自身が専門分野を持たない一型人材の場合は、まずは専門性を獲得してT型人材になることを目指すべきでしょう。一つの専門分野をすでに持つI型人材だという場合は、視野を広げてT型人材となる道と専門性をさらに突き詰めてJ型人材を目指す道があります。

深い専門分野と広い知識を持つT型人材の方々は、専門分野を増やしてΠ型・△型人材を目指す、対人スキルを高めてH型人材を目指す、専門性を深めてJ型人材を目指すの3つの選択肢があります。

どの選択肢を選ぶべきかは自身の目指すべきキャリアや求められる人物像によって決まるでしょう。

終わりに

キャリアについて考える場で比較的よく耳にする人材のタイプについて網羅的にご紹介しました。

広い視野と知識を持ちつつ専門分野を確立するというのは並大抵のことではありません。だからこそ、自分に足りない部分を意識して戦略的に能力を獲得していくことが重要です。そのための一助としてこの記事を活用してみてください。

そして、どんなに個人の能力が高くても、大抵の職場においては結局は周りの人たちと協力して仕事を進めていくことになるはずなので、お互いに気持ちよく仕事を進められる存在でいることを目指すのは仕事の内容や専門性に関係なく大切なことかもしれませんね。

働き方改革や業務の効率化が声高に叫ばれる昨今ですが、できるなら仕事も楽しくやりたいものです!


参考URL

いまT型人材が求められている〜育成の仕方とΠ型・H型との違い〜┃nomad journal
T型人材┃日本の人事部
最近、新たに「最強J型人材」を発見した┃池田 紀行(note)
これからの時代に求められるのは「T型ではなくH型の人材」┃COURRiER Japan


宮田文机

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