
沖縄県宮古島付近の陸上自衛隊ヘリコプター事故で、民間作業船は2日、海底から機体の主要部分を引き揚げた。操縦席など胴体部分と尾翼部分、燃料タンクがつながった状態だった。事故当時の高度や速度などの情報が保存されているフライトレコーダー(飛行記録装置)も回収した。今後、データを抽出して解析するなどして事故原因を特定する方針だ。
宮古島北西の海域で2日昼前、作業船が水深約106mの海底から網で包み込んで引き揚げられた機体は、原形をとどめないほど破損していた。
陸自によると、引き揚げられた機体に人の姿は確認されなかった。3日以降、事故調査のため、ヘリの所属部隊が拠点を置く熊本県の高遊原分屯地に移す。フライトレコーダーは、機体とは別に解析に当たる場所へ輸送するとしている。
作業に当たった場所は宮古島の西隣にある伊良部島の北約6キロの海域。付近には4月28日以降、複数の作業船が到着し、遠隔操作型無人潜水機(ROV)で引き揚げの準備を進めていた。
搭乗者は10人でこれまでに6人の死亡を確認している。
