「核のない世界見たい」 広島、マーシャル女性講演

故郷のマーシャル諸島での核実験被害について講演するエベレン・レレボウさん=2日午後、広島市

 米国が米ソ冷戦期に核実験を繰り返した太平洋マーシャル諸島の出身で、母親や親戚が被ばくしたエベレン・レレボウさん(42)が2日、広島市で講演した。放射線で汚染された場所には今も帰還ができず、人体への影響は世代を超えて生じていると強調。「核の被害を伝え続け、核兵器のない世界を見たい」と語った。

 米国は1946~58年、ビキニとエニウェトクの二つの環礁で計67回の核実験を実施。レレボウさんの母親は8歳だった54年3月1日、ビキニで行われた水爆実験「ブラボー」による放射性物質「死の灰」を約180キロ離れたロンゲラップ環礁で浴び、その後、甲状腺の病気や7回の流産を経験したという。

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