自然繁殖の水草「ムジナモ」発見 石川、牧野富太郎ゆかり

西原昇吾さんの研究チームが発見したムジナモ(同チーム提供)

 植物学者の牧野富太郎(1862~1957年)が国内で最初に発見し、環境省のレッドリストで絶滅の危険性が極めて高い「1A類」に分類されている水草「ムジナモ」が、石川県内のため池で自然に生育している状態で見つかった。発見した専門家によると、消失前の個体を移して繁殖している例は国内にあるが、自然繁殖は1960年代後半以降、確認されていないという。

 ムジナモは水面に浮遊する水草の一種で、ミジンコなど動物性プランクトンを摂取する食虫植物。牧野が1890年に見つけ、ふさふさした表面がムジナ(アナグマ)のしっぽに似ていることにちなんで名付けた。

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