<ライブレポート>CHAI、たくさんのNEO KAWAIIが集結し大成功に終わった初の主催音楽フェスティバル

CHAIが主催する初の音楽フェスティバル【NEO KAWAII FESTIVAL 2023】が4月27日に東京・Zepp Shinjukuにて開催された。当イベントにはバンコクを拠点に活動する27歳のシンガーソングライター Phum Viphuritと、CHAIの楽曲「Nobody Knows We Are Fun」のリミックスを手掛けたSTUTSも登場。彼らなりの「NEO KAWAII」をリスナーに届け、会場を沸かせた。ここからはメインアクト、CHAIのステージの様子をレポートする。

CHAIが1曲目に披露したのは、エネルギッシュな新曲「We The Female!」。Phum ViphuritとSTUTSのステージですでに温まっていたフロアはリズム隊のユウキ(Ba. & Cho.)とユナ(Dr. & Cho.)が刻む心地よいビートに乗り、序盤から身体を揺らして楽しんでいた。中盤にはマナ(Vo. & Key.)が「Put your hands up!」と声を掛け、さらに勢いをつけていく。

マナとカナ(Vo. & Gt.)のシンクロした動きや、ユウキとユナのラップも炸裂する「END」を挟み、「ボーイズ・セコ・メン」へ。「今日は来てくれてありがとうー! 最後まで楽しんでね!」とイントロで挨拶し、キュートな歌声としっかりとしたバンドサウンドを会場いっぱいに響かせていく。ピンクの照明のもと、とびきりの愛を込めて届けられたのは「ラブじゃん」。イライラすることや思い通りにいかないこともある世の中だからこそ、ラブの気持ちを忘れちゃいけないと改めて気付かされる。CHAIの音楽はハッピーやキュートという言葉も似合うが、ハートフルが一番しっくり来る気がする。

中盤には、「CHAIの物販マジック始まるよ」という言葉と共に、ユウキとユナの演奏するゴダイゴの「モンキー・マジック」に乗せて、マナとカナがTシャツなどのグッズ紹介をする場面も。次曲「クールクールビジョン」ではギアをグッとあげ、ハイテンポなサウンドと共にパワフルなパフォーマンスを見せた。目まぐるしい動きと曲展開は、瞬きするのも惜しいと思わせるくらいの迫力がある。「ハイハイあかちゃん」ではマナとカナのダンスやラップと共に、さらにスピードアップ。気を抜いていたらすぐに置いていかれそうなスピード感に、リスナーも手を挙げたりジャンプしたりしてノっていく。そのまま間髪入れずに「PING PONG! (feat. YMCK)」が流れ始め、マナとカナがダンスと歌、ユウキとユナがサンプラーを担当するというお馴染みの構成で会場のボルテージをさらに上げていく。

驚くことに、ここまでがノンストップで繰り広げられた。そして最初で最後のMCでは、ユナが「ここに来てくれるみんなが『NEO KAWAIIぞ、私!』と思える心地よい空間を作れたらいいなと思って【NEO KAWAII FESTIVAL】を始めました」とイベントへの思いを語った。開催できたことの喜びを精一杯伝え、熱い気持ちのままラスト曲となる「Donuts Mind If I Do」を披露。どっしりと鳴らされるドラムサウンドの上に乗る優しい歌声が、すっと心に響いてくる。リスナーもスマホのライトを大きく振りながらメンバーと共に最高の空間を作り、本編が締め括られた。

アンコールではCHAIが登場した後にSTUTSとPhum Viphuritもステージに姿を現し、スペシャルバージョンの「N.E.O.」が披露された。ソロ回しも含めた演奏が素晴らしかったのはもちろんだが、演奏後にアーティスト同士がハグしているのにもグッときた。こうして初開催となる【NEO KAWAII FESTIVAL 2023】はたくさんのNEO KAWAIIを届け、大成功に終わった。

Text by 伊藤美咲
Photos by Yoshio Nakaiso

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