いよいよ5月3日から本格的なゴールデンウィークのスタートです。2023年の大型連休、トレンドは近場の旅行。静岡県内の観光施設でも多くの客をつかもうと準備が進んでいます。
焼津市の観光施設「焼津さかなセンター」です。
<坂口将也記者>
「大型連休の中日となったきょう(5月2日)、平日ではありますがたくさんの観光客でにぎわっています」
新型コロナによる行動規制のないゴールデンウィーク。焼津さかなセンターではコロナ禍前の2019年に比べ、8割ほど客が戻ってきているといいます。ただ、元通りとまではいかないようで…。
<焼津水産振興センター 中澤正人常務>
「物価高やいろいろな事情がある中で、皆さん、近場を中心にして出かけている印象がある」
実際に来ている観光客も静岡県内や近隣県が多いようです。
<湖西市からの観光客>
「(県内は)行きやすいってのがひとつ。お金もかからずだから」
<愛知からの観光客>
「名古屋からだったら日帰りで来られるので」
「おいしい魚食べたいなと思って焼津に来ようと思って。ちょうどいい距離感。2時間半で着く」
旅行代理店大手JTBのアンケート調査によりますと、中部地方に住んでいる人は4割以上が同じエリア内の旅行に行く計画です。さらに、1泊、2泊という短期の宿泊が大勢を占め、近場の旅行が増えていると分析されています。
こうした近場の客をなんとか取り込もうと、焼津さかなセンターでは3~6日までの期間限定でお得に海鮮丼が楽しめる新たなサービスを準備しました。
<焼津水産振興センター 中澤正人常務>
「この部屋は通常、団体のお客さん用の会場となっている。ゴールデンウィーク中は、旅行支援が中断していて団体のお客様が少ないということで、この場所を有効活用しながら個人のお客さんが楽しめるようにした」
一方、「近場旅行」の傾向をチャンスと捉えている施設も。JR焼津駅近くにある日帰り入浴施設。普段は地元客が多いといいますが、大型連休では子ども向けのイベントなどを実施、近隣の県外客の増加に期待を膨らませます。
<エキチカ温泉・くろしお 石間文博支配人>
「3年ぶりの(行動制限のない)ゴールデンウィークなので、お客さんも笑顔だけど、スタッフも今まで以上に笑顔で迎えたい」
まだまだ続く大型連休。観光業界の本格的な戦いはここからです。
なぜ、近場の旅行が人気なのか。2023年のゴールデンウィークはいろんなことが考えられます。全国旅行支援がないことで団体ツアーが減っていること。まだ新型コロナの感染が完全に収まったわけではないこと。物価高、特に宿泊費が各地で高騰していることなどが長期の旅行を思いとどまらせているようです。しかし、こうした機会ですから、あえて近場に行くことで地域の魅力を再発見してみてはいかがでしょうか。