高橋大輔「十分やり切れた」 晴れやか引退会見、今後はプロに

引退会見で花束を手に晴れやかな笑顔を見せる高橋大輔と村元哉中=東京都内

 今季限りで現役を退くフィギュアスケート・アイスダンスの高橋大輔(37)=関大KFSC、倉敷市出身=が2日、東京都内で記者会見を行った。2014年に一度引退し、復帰後の20年にアイスダンス転向と異例の挑戦を続けたアスリートは「(最初の)引退とは違い、すっきりしている。十分やり切れたかな」と晴れやかな表情で語った。

 高橋はカップルを組む村元哉中(30)=関大KFSC=と会見に臨み、「(古傷の)右膝が限界で競技者として、これ以上の成長が難しくなった」と決断の理由を説明。32歳で現役復帰した18年以降について「前向きに充実した時間を過ごせた。一層スケートを知ることができ、もっと好きになれた」と笑顔で振り返った。

 今後はプロスケーターとして活動する予定で、「自分が滑るのはもちろん、アイスショーの演出や後輩たちの指導など新しいことに挑戦していきたい」と述べた。

 高橋は豊かな感情表現と世界一と評された巧みなステップで日本男子のエースとなり、10年のバンクーバー冬季五輪は銅メダル、世界選手権は日本男子初の金メダルを獲得した。アイスダンス転向後は競技の知名度や人気の向上に貢献し、今季は全日本選手権で初優勝を飾ると、世界選手権(さいたま市)は日本勢過去最高に並ぶ11位と躍進。4月の世界国別対抗戦(東京)が現役最後の試合となった。

 今年2月の四大陸選手権後、高橋から引退の意向を伝えられ、一緒に競技の第一線を退く村元は「(高橋)大ちゃん以上の最高のパートナーはいない」と話した。2人は1日にインスタグラムで現役引退を発表していた。

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