新鮮な足柄茶、堪能して 神奈川県西部で新茶の製造始まる 「浅蒸し」製法、渋みの少なさ特徴

今年初めて摘み取られた足柄茶の生茶葉=2日、松田町松田惣領

 爽やかで香り高い県内産「足柄茶」の摘み取りや、新茶の製造が県西部の各地で始まっている。今年は例年より1週間ほど早く、地元生産者らは「新鮮な茶葉をおいしく飲んでほしい」と願いを込めて生産準備を進めている。

 足柄茶は、自然豊かな丹沢・箱根山麓一帯の山間部で収穫された生茶葉を約40秒蒸して作る「浅蒸し」製法が特徴。淡い山吹色で、渋みが少ないお茶を堪能することができる。

 「八十八夜」に当たる2日には、創業100年を超える老舗「斎藤茶舗」(松田町松田惣領)の製茶工場に地元農家や住民らが家庭用小ロットの生茶葉を持ち込み、製茶を依頼した。

 南足柄市内山の農家高橋雍幸さん(82)は「香りがいい生茶葉が採れてよかった。少しだけれど、自宅で楽しみたい」と満足そうに話していた。

 同工場では、保冷した茶葉を蒸してから乾燥させ、茶葉をもむ工程を経て袋詰めする。商品用に買い取った茶葉は、今後同店などで新茶として販売する予定。

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